元々、高価格帯のスーツケースでしたが、最近は値上がりしすぎて気軽に購入できる金額では無くなってしまいました・・・
今回はそんなリモワはなぜ高いのかリモワの歴史や世界情勢から徹底解説します!
リモワはなぜ高い?RIMOWAの歴史や世界情勢から徹底解説!
以前は高いといっても10万円前後で購入できていたリモワですが、今や20万円は当たり前で、モデルによっては30万円を超えるものも出てきました。。なぜ、こんなに高くなったのか考察してみます。
リモワについて
リモワは100年以上の歴史があるドイツの老舗鞄屋さんです。
- 1898年:パウル・モルシェックさんが牛革を使ったスーツケースのメーカーとしてリモワの前身の会社が産声をあげる
- 1930年:リヒャルト・モルシェックさんが自身の名前の「RIchard MOrsceck WArenzeichen」の頭文字をとってRIMOWAと改名
- 1937年:強度と軽さを追求したアルミ製(ジュラルミン)のスーツケースを発売
- 2000年:軽さと丈夫さを両立させたポリカーボネート製のスーツケースを世界で初めて製品化
- 2016年:リモワはルイ・ヴィトンなどをグループ会社にもつLVMHの傘下に
リモワといえばアルミ製のスーツケースを思い浮かべる方が多いかと思ういますが、創立当初は牛革のスーツケースがメインでした。
その後、今の定番になったアルミ製のスーツケースを発売しました。
意外に思われるかもしてませんが、2000年には世界で初めてポリカーボネート製のスーツケースを製品化したメーカーでもあります。
現在の価格を語る上で、一番のターニングポイントは、2016年にLVMHの傘下に入ったことかと思います。
リモワの価格遷移
2016年にLVMHに買収され、ラインナップが一新されたのが2018年です。
2018年以降の価格推移をまとめたのが下記のグラフになります。
上のグラフはリモワの代名詞であるアルミ製の「オリジナル(Original)」と「エッセンシャル(Essential)」の機内持ち込みサイズ「キャビン」の価格推移です。
オリジナルについては、2018年当時の価格は「¥123,120」でしたが、2024年の価格は「¥224,420」になっています。。
エッセンシャルについても、2018年当時の価格は「¥76,680」でしたが、2024年の価格は「¥143,000」になっています。
両者とも2倍まではいかないですが、2倍近い値上げになってしまっています。
価格遷移の詳細については、2018年からの価格を追って記事にしているので下記をご覧ください。
ポイント1. LVMH買収によるハイブランド化
リモワが高い理由の一つ目ですが、ルイヴィトンやディールといった名だたるハイブランドを傘下にもつ、LVMHがリモワを買収したことが大きいです。
まだ、ルイヴィトンとのコラボはありませんが、ディオールとのコラボや最近では、新進気鋭の有名デザイナーとのコラボを頻繁に実施してブランド価値を高めています。
また、2018年にはモデルを一新して、ロゴの変更やサイズやラインナップをある程度、統一してわかりやすいラインナップにして、ブランドイメージを作り上げていっているのがわかります。
このようにLVMH傘下になったことで、それまでは無骨なドイツの老舗鞄屋さんという感じだったリモワが、ハイブランド化が進んだことが価格高騰の一因になっていることは間違いなさそうです。
ポイント2. 世界的インフレ
次に、世界的なインフレ、特に欧米でのインフレも影響しています。
2022年頃からコロナ対策で緩めすぎた金融政策が原因で、欧米では深刻なインフレが加速しました。
2022年中頃には、対前年比10%を超えるインフレに見舞われ、その後も今に至るまで各国はインフレ対策に苦心しています。
というのも、私がルフトハンザリモワを購入した2019年はクラシックのキャビンが現地の価格で「700ユーロ」でしたが、今のヨーロッパの価格では「1,250ユーロ」となっていて、50%以上の値上げとなっています。
ただ、この値上げはインフレによる影響だけではなく、前述のハイブランド化による影響だとわかるのが、2021年時点でそれなりの値上げが実施されていることからもわかります。
- 2019年前半:700ユーロ
- 2019年11月:790ユーロ
- 2021年1月:810ユーロ
- 2022年8月:1,120ユーロ
- 2024年6月:1,250ユーロ
そして、その後の世界的なインフレで価格が急騰しています。
ポイント3. 円安
そして最後の要因が、歴史的な「円安」です。
円安が進んでいる背景には、世界的なインフレが進み、世界各国は金融引き締めのために、利上げと呼ばれる、政策金利を上げました。
しかし、日本はほとんど金利を上げることができずに世界的にみても異常な超低金利政策を進めたことで、世界から日本だけが取り残されて、歴史的な日本の通貨である”円”の価値が下がってしまう「円安」に見舞われています・・・
2018年のドル円は「約110円」でしたが、2024年6月時点では「約160円」と約50%近い円安が進んでいます。
円安が進めば輸入品が高くなるため、リモワの価格もそれに応じて値上げされていることがわかります。
ポイント4. ドイツのクラフトマンシップ
最後に、リモワという製品がなぜ高価格なのかという点について紹介しておきます。
リモワはドイツのケルンに本社があるスーツケースブランドです。
今でもアルミ製のスーツケースは「Made in Germany」で製造されています。(一部はカナダとも言われています。)
このように今でもアルミ製のリモワはドイツにで製造されており、ドイツのクラフトマンシップの系譜が引き継がれています。
また、アルミ製のスーツケースは、その剛性ゆえに歪みやすく、精度を求められるため、今もなおドイツで製造されているのではないかと思います。
ポイント5. 生涯保証
そして最後は、リモワのスーツケースは生涯保証です。
以前は5年保証でしたが、2022年7月25日以降の購入分については、生涯保証となりました。
2022年8月以降の価格が一段階高くなったことから、この生涯保証もリモワが高い理由の一つかともいます。
リモワはなぜ高い?まとめ
今回はリモワがなぜ高いのか?についてまとめました。
- LVMH買収によるハイブランド化
- 世界的なインフレ
- 円安
- ドイツのクラフトマンシップ
- 生涯保証
元々リモワは、スーツケースの中では高価な部類でしたが、今や超高級品になりました。。
その原因は、「LVMH買収によるハイブランド化」「世界的インフレ」「円安」による要因が大きいとみています。
以前はアルミ製のスーツケースも10万円せずに購入できたのですが、今は20万円以上は当たり前になっています。
今後、値下がり余地があるとすれば「円安」が収まり「円高」に向かうことですが、それもどうなるかわかりません。
それ以外の部分は、値下げ要因に変わることはないため、今後値下げがあるとすれば「円高」になった時くらいしか期待できません・・・
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